EditorsJuniorの日記

編集・ライター兼オンライン型寺子屋の講師が書籍を紹介したり、日常を綴ったりします。

幼児~小学生の親御さん向け『声に出して読みたい日本語』齋藤孝/草思社/2001年

このブログで最初にご紹介したいのは、この本。

 

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『声に出して読みたい日本語』齋藤孝/草思社/2001年

まえがきより引用

この本は、読むというよりは、使い切ってもらうのにふさわしいものです。とくに親子で暗誦文化をいっしょに楽しみ、継承していただければ最高です。

<中略>

ここにとりあげたものは、日本語の宝石です。暗誦・朗誦することによって、こうした日本語の宝石を身体の奥深く埋め込み、生涯にわたって折に触れてその輝きを味わう。こうした「宝石を身体に埋める」イメージで楽しんでください。

いわゆる<ゆとり教育>後期、子どもたちの基礎学力について不安な声があがってきた頃に出版された『声に出して読みたい日本語』。

「そうだ!大事なのは日本語だ!」「音読だ!」「読み聞かせだ!」という、ある種の教育ブームを作った本と言えるでしょう。

著者の齋藤孝さんは、今でこそ著名な文化人で、TBSアナウンサー・安住紳一郎さんの恩師としても知られた人ですが、当時はほとんど無名の明治大学文学部助教授でした(と記憶。前年、『身体感覚を取り戻す~腰・ハラ文化の再生』NHKブックスで新潮文学賞を受賞していますが)。

それでも『声に出して読みたい日本語』は売れに売れ260万部のベストセラーに。講師Bの手元にある本は、2002年5月28日発売の第58刷です。

2003年4月からNHKEテレで放映が始まった「にほんごであそぼ」は、まさに『声に出して読みたい日本語』の番組化で、総指導にあたっていたのが齋藤孝さんでした。

 

どっぷり「にほんごであそぼ」にはまった子どもたちも、もう二十歳過ぎ。

 

寿限無」や「どっどど どどうど どどう」、

「朝焼け小焼けだ」や「吾れ十有五にして」などなど

日本語の宝石(のほんのわずかでも)を身体の奥深くに埋め込んだZ世代はたくさんいるはず。

齋藤先生、ありがとうございます。

 

エディターズジュニア